人は人と出会うから生き方を知る
大層なタイトルをつけてますが、『不滅のあなたへ』が面白いから読みましょう。
という、話。
以下は余談。
先月に引き続き表紙買いという名の漫画を買う口実を利用して、『不滅のあなたへ』を買いました。
こちらの漫画はとても不思議な漫画です。
基本的な設定は以上で、不死の球体だったナニかが主人公の物語です。
そこから一人ぼっちだった少年になったり、熊になったり、少女になったり、老人になったりと色んな生き物と出会い別れと共にそのものになる。
この主人公は最初はなにか刺激を求めてうろうろしてるだけの、存在でしたが徐々に色んな人と出会うことで「この人を守りたい」といった色んな考え方へと変わります。
スポンジのように出会う人の考え方を吸収するため、出会う人によってこの何かの人生は大きくかわるのでしょう。
人の生死といったテーマにおいて不死というのは憧れの存在です。
手塚治虫の『火の鳥』では不死を求めて火の鳥を探し、不死となってしまった人の苦悩が描かれていますが、こちらの作品はその苦悩だけではなく、生き方も描かれています。
最新刊ではとある国の王子が出てきます。
彼は王の息子として特別な存在として生まれてきました。
この漫画の終着点を考えたときに、不死という特別なものを与えられている主人公は他にどんなものを与えるのかというのがキーになると思います。
タイトルの通り、不死であるだけで何でもなかった球体だった彼は様々な人と出会い色んなものを与えられてきました。
「我々は先に死ぬからいいですが、今ここで異端認定をされたら一生苦しめられる」
このように今のフシ(主人公)は守られる、与えられる存在です。
今後この彼がどんな風に成長していくのか、きっと同じように特別なものを与えられて育った王子の彼が一種の道標を示すのかなと思ってます。
「持てる者がなした、その決断は誇り高く」
9巻がとても楽しみです。
タイトルに話を寄せますと、不死の彼(彼女)は色んな人に出会ったからこそ色んな生き方を知りました。
そして、その中から自分で人生を徐々に選んでいってます。
ノッカーという敵対者に対峙するかしないか、彼は自分で選択をこの時点(4巻)で少しできてます。
ただ、この時点では戦う、戦わないの二択しか選択肢が彼にはきっとありません。
そうではなく、色んな生き方を知ることで色んな選択をできるようになるのが人生なのかなと思います。
現時点8巻出ていますが、これが中盤なのか、終盤なのか、また序盤なのかわかりませんが、尊い選択を彼がするのを楽しみです。
「不滅のあなたへ」という表題ですが、あなたというのは誰なんでしょうか。
手塚治虫の『火の鳥』は最後手塚治虫が漫画を描いてるところで終わるという話は有名ですが、この漫画においては我々読者なのかなと僕は考えています。
漫画の世界を上から覗く我々は不滅なのかなと。
ファイアパンチでは映画で主人公をフラッシュバックしていましたが、この不滅のあなたへでは主人公がそのキャラクターになってしまう、なれるというのもポイントですね。
どんな作品になるのかとても楽しみです。
だらだら書いていたのでまとまっていませんが、以上です。