Valorant NAチームまとめ(Renegades)
今回はNA First Strikeのダークホース"Renegades"を紹介する。
https://liquipedia.net/valorant/File:Renegades_2019.png
Renegades、通称"RNG"は今大会のプレイオフでCloud9 Blue(現在Cloud9はTenZ率いるBlueと女性チームのWhite、韓国にあるKoreaの3チーム所持している。)にプレイオフで見事勝利し、First Strikeの出場枠を獲得する。
今大会でのRenegadesはいわゆる強豪チームに勝ち続けてこの枠を勝ち取った、というわけではない。勿論強豪のCloud9に勝ちはしたがオープン予選、本選のグループ予選ではTSMに敗れている。
オープン予選は9-16位に入り本戦への切符を手に入れた。グループ予選はTSMに敗れはするも2位で通過し、大事なプレイオフでC9に勝利しこの枠を勝ち取ったのだ。
逆にRNGに2度勝利し、グループ予選を1位で通過したTSMは100Tに敗れFirst Strikeを逃してしまっている。その為、このチームが勝ち上がったことに対して驚いている人は多いだろう。
このような経緯なのでRenegadesはどういう戦い方をして、どういうチームなのか知らない人が多いと思う。今回はC9 vs RNGの試合について解説しつつRenegadesについて紹介する。
試合解説
Cloud9 Blue vs Renegades (VOD)
今回は大接戦だった1MAP目のSplitを紹介する。
RNGは攻撃から始まる。Splitは他のマップと異なり、Midとメインを使って挟み込む形をとるというよりは、一か所を人数かけて攻めることが多い。
エージェントピックではC9とRNGはBreachをピックしていたが、実はこの大会以前ではNAのBreach使用数は少なかった。(NAはPhoenixのPickが極端に多くPhoenixメタとも呼ばれていた。)
今大会はSplitに関してはBreachのピックは増えていた。Breachは最新のパッチでBuff(フラッシュバンの時間が1.5秒→2秒)されセットプレーを行う上でより強力なエージェントとなっている。
Splitの攻撃は設置する事自体は難しくないが、設置後いるポジションが限られてしまう為、"設置後の立ち回りが難しいマップ"である。RNGはボム設置とセットで、エリアの拡大を狙う場面が多々あった。そのことからSplitにおいては積極的に広くエリアをとることを狙っているチームだと考えられる。
https://clips.twitch.tv/CrowdedNimbleSalamanderYee
https://clips.twitch.tv/ArborealUnusualTrayHeyGuys
後半はC9に対応されてしまうが、BerghyのClutchもあり、5本獲得することができた。
https://clips.twitch.tv/CarelessBigAlfalfaBudStar
挟み込みの形やKillJoyのUltをフェイクで使ったりと相手の守り方が対応してきたときの手札も持っていた。
防衛では前半はC9のスロウな攻めに守りの焦点を合わせることができず苦しむが、後半からカバーをつけてファーストピックを狙ったり、サイト内で守るようにシフトしていた。
https://clips.twitch.tv/UglyKnottyDogPMSTwin
24ラウンド目には3vs5でAサイトに設置されるという不利な状況でRazeのwinsumによるブラストパックによってAサイト内に入り込んだプレイヤーの裏取りを成功し見事なクラッチをしていた。
https://clips.twitch.tv/EnchantingSparklingPidgeonFrankerZ
こちらのプレイは一見Razeのワンマンプレイによる取り返しにも見えるが、BreachのFBに綺麗に合わせたプレイである。
このプレイ以外でもBreachのCP2は細かく味方に合わせたFBを攻守ともにしていた。
https://clips.twitch.tv/HyperBitterPineappleBCouch
この後延長戦は32ラウンドまでもつれ、17-15でRNGが1Map目を獲得した。
続いて2マップ目のAscentでは防衛スタートで10-2と差をつけて折り返し、13-9で勝利する。
補足:準決勝のvs ENVY戦でもAscentを13-11で勝利している。
(防衛を9-3で折り返している為、防衛に自信がありそう。)
RNGの基本的な構成はRaze/Jett/Omen/KJ or Cypher/Sova or Breachだった。
JettとRazeの両方を固定で入れてるチームはNAでは珍しい気がする。
RandyySavage(Cypher/KJ)がラーカーとして1で動き、他の4人はまとまって攻めるという4-1をスタンダードとして攻めていた。
特にWinsum(Raze)がかなりフレキシブルに立ち回り前へ前へとエリアを広く取りに行く動きに対して、RetrQ(Jett)やcp2(Breach/Sova)が上手く合わせていた。
cp2のスキルの合わせ方が上手くチームの要だと感じた。
スキルの合わせ方やチームとしての対応も悪くなく、ただの"たまたま勝ち上がった運の良かったチーム"ではないとは思う。
First Strikeまでにここからどう仕上げていくのかが楽しみだ。
(恐らくこのチームはSova→Skyeに変更するのでは?と予想。)
経歴紹介
~現在のRenegades結成まで~
4月に行われた”eFuse x Divine - Valorant Kickoff #1”にてcp2、winsum、randyysavageはSW Savageというチームで優勝。
その後、cp2はAsuna(現100T)と共にProspectsというチームでNerd Street Gamers x T1 Valorant Open - Qualifier #1に出場するも決勝で現TSMのプロ化する前のチームmouseSpazに敗北。
ProspectsからAsunaは離れてしまうが、再びWinsum、randyysavageが加入し5月にはC-Tierの大会を4連続で優勝している。(対戦相手を見る限りアマチュアチームが出る大会。)
6月には、Big FramesというNurfedというプレイヤーが結成したOrglessチームに所属しFight Night Arenaという大会を2連覇する。
7月にcp2、winsum、randyysavage、Berghy、NurfedはRenegadesと契約する。
Announcing the full roster of our first Renegades competitive VALORANT team:#RNGVAL #RNGWIN@nurfed25 @Cp2__@randyySAVAGEVAL @winsumfps@BerghyFPS @riotgames / @PlayVALORANT pic.twitter.com/FP9nFVQoa8
— Renegades (@Renegades) 2020年7月15日
その後、9月にコーチのcoachJとNurfedと替わってRetrQが加入する。
We are very excited to announce our new additions to #RNGVAL 🤠
— Renegades (@Renegades) 2020年9月10日
Please welcome Coach @coachJocko , and our new fifth @iamretrq
See them both in action tomorrow in the Pulse Series Invitational!#RNGFAM pic.twitter.com/M42IosmpLT
各選手の経歴紹介
‣cp2 元CSGOプレイヤー。プロチームとは契約してはいなかったが、2017年ごろ大会に出ていた経歴はある。
主にBreachとSovaを使用。
‣winsum 元CSGOプレイヤー。2017年にGuerrilla Tacticsというチームでcp2と共にWESG 2017 USA予選に出場。2018年にはFACEIT Pro Leagueという、混合チーム制の大会に出場していた。
主にRazeを使用。
‣randyysavage 不明。
主にCypher、KillJoyを使用。
‣Berghy 不明
Valorantがリリース当初から大会に頻繁に出場していたようだ。
Pittsburgh Knights Charity Invitationalという大会ではretrQと共に予選を勝ち上がり、グループ予選ではFazeに勝利している。(現Fazeとは全員メンバーが異なる。)
その後、Renegadesと契約へ。
主にOmenを使用。
‣RetrQ 元CSGOプレイヤー。結果は残せていないが頻繁に大会に出場していたようだ。
ValorantではIntensityというチームでBerghyと共に"Valorant Sunday Showdown Week 6"に出場し優勝している。
その後は"Pittsburgh Knights Valorant Rumble"という大会でTeam Underrratedというチームで現XSETのAYRIN、Brando率いるProspectsに勝利し優勝し$4,500獲得。
その後、Renegadesと契約へ。
主にJettを使用。
彼らはCSGOでも活動していたが日の目を浴びる機会がなかった選手が多いため、今回のFirst Strikeが初の表舞台といっても過言ではないだろう。
(この記事を書きながら、やっと日の目を浴びれて良かったな~って気持ちになりました。応援するチームが増えました。)
12月3日から始まるFirst Strikeでは新エージェントのSkyeと新マップアイスボックスがくる。恐らくwinsumのRazeやRetrQのJettに関しては変えずにcp2のサポートの選択肢がSova、Breach、Skyeの三つになることがこのチームではポイントになると予想できる。First Strikeまで1ヵ月、どこまで仕上げてくるか楽しみである。